犬を飼っていると、必ず一度は考えることになるのが「去勢・避妊手術をするべきかどうか」という問題です。
特にオス犬の場合はマーキングやマウンティング、メス犬の場合は発情期の出血や望まない妊娠など、生活の中で困ることが出てきます。
しかし、去勢・避妊にはメリットもあればデメリットも存在するため、「絶対に必要」とも「絶対に不要」とも言い切れません。
今回は、犬の去勢・避妊手術について解説し、飼い主さんが判断するための材料をまとめました。
去勢・避妊手術とは?
去勢手術(オス犬)精巣を摘出する手術のこと。マーキングや発情行動を抑える効果がある。
避妊手術(メス犬)卵巣や子宮を摘出する手術。発情によるストレスや妊娠を防ぎ、病気の予防にもつながる。
どちらも動物病院で全身麻酔のもとで行われ、日帰り〜数日入院するケースが多いです。
去勢・避妊のメリット

1. 望まない妊娠を防げる
多頭飼いをしている家庭では特に重要です。計画していない繁殖を避けることができ、飼い主の責任を果たすことができます。
2. 性格や行動が安定しやすい
オス犬ではマーキング、マウンティング、攻撃性の軽減が期待できます。メス犬では発情期特有の落ち着きのなさやストレスにつながる行動が減ります。
3. 病気の予防になる
オス犬:前立腺肥大、精巣腫瘍の予防
メス犬:子宮蓄膿症、乳腺腫瘍の発症リスク低下特に子宮蓄膿症は命に関わる病気のため、避妊手術は健康維持の意味でも勧められることがあります。
去勢・避妊のデメリット

1. 全身麻酔のリスク
どんな手術でも麻酔によるリスクはゼロではありません。高齢犬や持病がある犬の場合、リスクが高まります。
2. 太りやすくなる
ホルモンバランスの変化によって基礎代謝が下がり、太りやすくなる傾向があります。食事管理や運動でカバーする必要があります。
3. 性格や行動が必ず改善するわけではない
去勢しても必ずマーキングや攻撃性が無くなる・減るものではなく、あまり性格や行動に変化がない場合もあります。手術が万能ではない点に注意が必要です。
4. 繁殖ができなくなる
将来的に繁殖を考えている場合は、去勢・避妊をするとその道が閉ざされます。計画的に判断する必要があります。
手術をするタイミングは?

オス犬:生後6〜12か月頃が一般的。マーキング行動が定着する前に行うと効果が高いといわれます。
メス犬:初回の発情前〜2回目の発情前が望ましいとされます。乳腺腫瘍の予防効果が高まるためです。
ただし、犬種や健康状態によって適切な時期は異なるため、必ず獣医師と相談しましょう。
私の体験談
私の家の犬はミニチュアダックスフンド(オス)です。精巣関連の病気の予防、マウンティングによるヘルニアのリスク軽減のために去勢手術を決心しました。
生後6カ月で去勢手術を行いましたが、手術は無事に終わり、術後も傷が開いたりすることなく無事に去勢手術は成功しました。
まだ若かったこともあり、もともとマーキングは一度もしていなかったため、去勢手術の効果なのかは定かではありませんが、1歳を迎えた今もマーキングは今まで一度も行っていません。マウンティングの回数は確実に減ったと感じています。
去勢・避妊を考えるときの注意点

1. 手術の必要性は犬ごとに違う
マーキングや攻撃性が強くない犬、繁殖を予定している犬は必ずしも必要ではありません。
2. メリット・デメリットを理解した上で決める
健康上のリスクを減らすメリットは大きいですが、手術にも負担があります。
3. 信頼できる獣医師に相談する
飼い主の考えと犬の状態を踏まえて、最適な選択を一緒に考えてくれる獣医師を見つけましょう。
まとめ

犬の去勢・避妊手術には、
- 望まない妊娠の防止
- 性格や行動の安定
- 病気の予防
といった大きなメリットがあります。一方で、
- 麻酔や術後のリスク
- 太りやすくなる可能性
- 繁殖できなくなる
といったデメリットも無視できません。
「必ずやるべき」「絶対にやらないべき」とは言えないため、飼い主が愛犬の性格や体質、将来の計画を考えたうえで判断することが大切です。
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